多店舗展開とは?進め方・つまずきやすい壁と出店物件の探し方

多店舗展開とは?進め方・つまずきやすい壁と出店物件の探し方

「1号店が軌道に乗ったので、2店舗目・3店舗目を出したい」「出店を続けたいが、物件探しや判断を社内だけで回すのが難しくなってきた」。飲食・物販・サービス業の経営者や店舗開発のご担当者から、よくいただくご相談です。

多店舗展開は、売上を伸ばしブランドを広げる有力な手段です。一方で、1店舗目と同じやり方のままでは、出店判断・人材・資金・物件探しのどこかで行き詰まりやすいのも事実です。

この記事では、多店舗展開の意味と主な方式、つまずきやすいポイント、進め方のステップ、路面店と商業施設の出店先の違い、2店舗目以降の出店物件を効率よく探すコツまでを解説します。

株式会社ロメッツ(REMAX COMPASS)代表の向井は、商業施設のテナントリーシングや運営に携わってきました。出店を受け入れる貸主側の視点も交えて、実務目線でまとめました。

この記事の要点

  • 多店舗展開の主な方式とその違い、つまずきやすい5つの壁を整理しています。
  • 多店舗展開を5つのステップで進める方法と、出店先としての路面店と商業施設の違いを解説しています。
  • 2店舗目以降の出店物件を効率よく探すコツとして、出店希望条件の整理や物件探しを外部に任せる方法を紹介しています。

多店舗展開とは?主な方式と違い

多店舗展開とは、1つの店舗で確立した業態やブランドを、複数の店舗に広げていく経営の進め方です。店舗の数を増やすだけでなく、どの店でも同じ品質の商品・サービスを提供できる仕組みをつくることが前提になります。

主な3つの方式

多店舗展開には、主に次のような方式があります。自社の資金力や、どこまで運営を自社で管理したいかによって選び方が変わります。

方式概要向いているケース
直営店自社が出店・運営のすべてを担うブランドや品質を自社で細かく管理したい
フランチャイズ(FC)加盟店が出店・運営し、本部はノウハウやブランドを提供する加盟店の資金と人材を活かして出店数を増やしたい
ライセンス・業務提携他社にブランドや商品の使用を認める、または共同で出店する新しいエリアや施設に、提携先の力を借りて出る

どの方式でも、出店する場所の選び方と、店舗ごとの採算の見極めが成否を分けます。

多店舗展開でつまずきやすい5つの壁

多店舗展開の相談を受けていると、多くの企業が似たところで悩んでいます。代表的なものを整理します。

1. 1号店の成功要因を言語化できていない

1号店がうまくいった理由が「オーナーが店に立っているから」「たまたま立地が良かったから」のままだと、2店舗目で再現できません。客層、立地条件、客単価、席数や売場の広さなど、成功の条件を言葉と数字で整理しておくことが出発点です。

2. 出店基準があいまい

「良さそうな物件が出たから出す」という判断が続くと、店舗ごとの採算にばらつきが出ます。商圏、通行量、賃料負担の上限、必要な面積や設備など、自社なりの出店基準を決めておくと、物件の比較や見送りの判断がしやすくなります。

3. 店長・スタッフの育成が追いつかない

店舗が増えると、経営者がすべての店を見ることはできなくなります。店長候補の育成、マニュアルや研修の整備など、人の仕組みづくりは出店のペースと合わせて考える必要があります。

4. 初期投資と資金繰り

出店には内装工事、設備、保証金などのまとまった資金がかかり、回収には時間がかかります。複数の店を続けて出すと資金繰りが厳しくなりやすいため、1店舗ごとの投資回収の見通しを立ててから次の出店を判断することが大切です。

5. 良い物件の情報が集まらない

条件の良い物件は、一般に公開される前に決まることもあります。仲介会社や商業施設の運営者とのつながりが少ないと、選べる物件の幅が狭くなります。物件情報をどのルートから得るかは、多店舗展開の大きなテーマです。

多店舗展開の進め方(5ステップ)

ステップ1:1号店を分析し、勝ちパターンを整理する

売上や客層のデータ、立地の特徴、オペレーションを振り返り、「どんな場所で、どんなお客様に、どう売れているか」を整理します。

ステップ2:出店戦略と出店基準を決める

どのエリアに、どの順番で、どのくらいのペースで出すかを決めます。特定のエリアに集中して出店するのか、広域に出るのかで、物流や人の配置も変わります。あわせて、物件を選ぶときの出店基準をまとめます。

ステップ3:物件情報を集める

仲介会社、物件ポータル、商業施設のテナント募集など、複数のルートから情報を集めます。出店基準を仲介会社や施設側に伝えておくと、条件に合う物件の紹介を受けやすくなります。

ステップ4:収支を試算し、出店を判断する

候補物件ごとに、想定売上、賃料、人件費、初期投資などから収支を試算し、出店基準と照らして判断します。商業施設では、固定賃料か売上に応じた歩合賃料かといった賃料形態によっても試算が変わります。

ステップ5:契約・開業し、運営を標準化する

契約条件を確認して開業準備を進め、開業後は運営の手順を標準化して次の出店に活かします。1店舗ごとの振り返りを積み重ねることで、出店基準の精度が上がっていきます。

出店先の選び方:路面店と商業施設の違い

多店舗展開では、路面店と商業施設(SC・駅ビルなど)のどちらに出るかも重要な判断です。

路面店

内装や営業時間の自由度が高く、ブランドの世界観を出しやすいのが特徴です。一方で、集客は自社の力に左右されやすく、立地の見極めがより重要になります。

商業施設(SC・駅ビル)

施設全体の集客力を活かせる一方で、出店時には施設側の審査があり、営業時間や販促のルールに従う必要があります。契約は期間が決まった定期借家契約が多く、内装工事の区分(B工事・C工事)など、路面店とは異なる確認事項があります。

商業施設側は、施設全体のテナント構成の中でその店が果たす役割や、運営体制・出店実績を見ています。多店舗展開の計画を整理して伝えられると、出店の相談が進めやすくなります。詳しくは店舗開発とは?でも解説しています。

2店舗目以降の出店物件を効率よく探すコツ

多店舗展開では、条件に合う物件の情報をどれだけ早く集められるかが出店のペースを左右します。次の点を押さえておくと、物件探しが進めやすくなります。

出店希望条件を資料にまとめる

希望エリア、面積、賃料の上限、業種(重飲食かどうか)、必要な設備、出店時期、路面店か商業施設かなどを一つの資料にまとめておきます。条件が具体的なほど、仲介会社や商業施設側が合う物件を紹介しやすくなります。

複数のルートから情報を集める

物件ポータルだけでなく、店舗物件に強い仲介会社、商業施設の運営会社など、複数のルートに出店希望条件を伝えておくと、公開前の情報に触れられる機会が増えます。

判断の基準と社内の決裁を早くする

条件の良い物件は検討期間が短いことがあります。出店基準と社内の決裁の流れを決めておくと、申込みまでの時間を短くできます。

物件探しや交渉を外部に任せる

社内に店舗開発の担当者がいない場合や、出店のペースを上げたい場合は、出店候補地の提案や貸主との条件交渉、契約までを外部に任せる方法もあります。依頼できる内容は店舗開発代行とは?、店舗物件の探し方は店舗仲介とは?で解説しています。

多店舗展開に関するよくある質問

Q. 何店舗目から多店舗展開を考えればよいですか?

A. 決まった目安はありませんが、1号店の収支が安定し、成功の理由を説明できる状態になってから2店舗目を検討するのが一般的です。

Q. 2店舗目は1号店の近くに出すべきですか?

A. 近くに出すと、人の行き来や仕入れ・管理の面で効率がよくなります。一方で、商圏が重なりすぎると売上を取り合うこともあるため、1号店の商圏を把握したうえで判断します。

Q. 商業施設への出店は実績がないと難しいですか?

A. 施設や区画によって考え方は異なります。実績が少ない場合でも、業態の強みや運営体制、出店計画を整理して伝えることで、相談の余地が生まれることがあります。

多店舗展開のご相談は株式会社ロメッツ(REMAX COMPASS)へ

株式会社ロメッツ(REMAX COMPASS)は、テナント企業の店舗開発支援、商業施設のリーシング支援、事業用不動産の仲介を行っています。代表の向井は、デベロッパーや商業施設運営の実務を経験しており、出店する側と受け入れる側の両方の視点から助言できることが強みです。

「2店舗目の物件探しから相談したい」「商業施設への出店を検討している」「出店基準づくりを手伝ってほしい」など、計画の段階からご相談を承ります。

お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ。

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この記事の監修者

向井 瑛一郎(株式会社ロメッツ 代表取締役/REMAX COMPASS 代表/宅地建物取引士)

株式会社OPAで心斎橋OPA・河原町OPAなど複数施設のリーシング・リニューアルを担当。東急不動産SCマネジメントでは東急プラザを中心に約60施設・約1,600区画のリーシングや新規開業・リニューアル、小田急電鉄では新宿ミロードを含む約60施設・約2,000区画のテナント誘致や業態開発を手がけ、三菱商事・ユービーエス・リアルティ(現KJRマネジメント)で商業・複合施設のアセットマネジメントを担当。2022年に株式会社ロメッツを設立し、2025年にREMAX COMPASSを開設。貸主とテナント双方の立場を経験した視点から、商業施設のリーシング支援・店舗開発支援・事業用不動産の仲介を行っています。日本ショッピングセンター協会SCアカデミー第10期修了。

テナント募集・店舗物件探し・リーシングなどに関するコラム

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社名 株式会社ロメッツ
所在地 〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町三丁目4番9号 横山ビル3F
TEL 03-6261-5098
営業時間 9:30 – 18:00
定休日 土日・祝日
許認可番号 宅地建物取引業 東京都知事(1)第110605号
URL https://lomets-inc.com

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