ショッピングセンター業界に「週休二日制」は導入できるのか?|年中無休モデルから持続可能な運営への転換

かつてショッピングセンター(SC)は「年中無休・長時間営業」を当たり前としてきました。
しかし、深刻化する人手不足働き方改革の流れを受け、今、SC業界は「週休二日制」や営業時間の見直しといった持続可能な運営モデルへの転換を迫られています。
本記事では、YouTube「SCチャンネル」で議論された内容をもとに、SC業界が直面する構造変化と、これからの運営のあり方を考えます。


規制緩和がもたらした「年中無休」の時代

かつての大店法時代には、休業日や営業時間に制限がありました。
大店立地法への移行により、営業自由化が進み「年中無休・長時間営業」が一般化。
SCは利便性を武器に発展しましたが、その裏で、現場の働き手への負担が蓄積していきました。


人手不足と働き方改革が突きつける現実

現在、小売・サービス業界では慢性的な人手不足が続いています。
特に休日・夜間シフトの確保が難しく、離職率の上昇が経営課題となっています。
この流れを受け、「週休二日制」や「営業時間短縮」が検討されるようになりました。


テナントとデベロッパーの新たな関係性

SCの営業時間を柔軟化するには、テナントごとの営業方針を尊重する設計・運営体制が必要です。
共用部の空調・照明・警備といったインフラも、テナントごとの営業時間に合わせて制御する仕組みへの移行が求められます。
また、デベロッパーとテナントが対等な立場で協議する文化を育むことが、持続的な施設運営の鍵となります。


「休むこと」が新たな価値を生む

“休業日を設ける”という発想は、単なるコスト削減ではなく、人材定着とサービス品質の向上につながります。
スタッフが安心して働ける環境を整えることこそが、結果的に顧客満足やブランド価値を高める投資といえます。
SC業界の次のフェーズは、「働く人に選ばれる施設づくり」にあります。


まとめ

年中無休という時代の成功モデルが限界を迎えつつある今、
“持続可能な営業体制”への転換は避けて通れません。
SC業界の未来を左右するのは、「休む勇気」と「共に考える仕組み」です。

📺 動画はこちら: